モデルナとファイザー

モデルナとファイザー

ようやく大規模接種会場でも基礎疾患を持つより若い世代に接種対象が移りつつあるようです。今後接種券が送られてきたら順次接種を受けられるようになります。

最近患者さんからモデルナとファイザーワクチンについて聞かれることが多くなってきました。ネットやマスコミで見れば違いは大体わかると思います。

そうです。接種後副反応の発生確率はモデルナワクチンのほうが若干高いようです。接種した腕が一時的に腫れて動きにくくなる「モデルナアーム」という言葉もあります。しかしこれらは100%回復するということです。  さて、医療側から見てどちらが「扱いやすいか」という観点で選ぶとすれば、私は「モデルナ」を選びます。 理由は日本ではアナフィラキシーの報告がないこと、普通の冷凍冷蔵庫で管理できること、希釈の必要がないこと、などがあげられます。これは当院のような小規模なサテライト型のクリニックでは大切なことなのです。実は個々のクリニックはワクチン接種の契約を国と結ぶのですが、当初、当院は「モデルナ」を希望して出しました。しかしほどなくして担当者からファイザーしか選択肢がないと言われてファイザーに変更して契約したのです。日本ではファイザー(自治体、一般医療機関)、モデルナ(大規模接種、企業)とすみ分けられております。 では、どちらがいいか。ファイザー、モデルナ、それぞれ一長一短あります。総合的に判断すれば「ほぼ同じ」と考えていいと思います。 大切なのは「早く打つこと」です。

今、あなたが離島にいて急に島の山が噴火したとします。火山灰が降り注いできます。溶岩が流れ出てきています。急いで港に向かって逃げようと走り出します。港には船が2隻あります。  モデルナ号とファイザー号。  モデルナ号のほうが若干揺れるらしいですよ。    どちらに乗りますか?   あなたは先に出発するほうにきっと乗ると思います。

今はそんな状態と考えてください。これから置き換わるとされるインド株(デルタ型)は感染力が強く、ワクチンの効果も今までより弱いようです。日本人はファクターXという原因がまだわからないものの、ほかの国にはない免疫の強さがあるとされてきました。しかし、今回は私たちの免疫の上をいくかもしれません。(杞憂に終わればいいのですが)この株に対しては 1回接種で33%の効果、2回接種でやっと88%の効果とされております。できるだけ早く2回打たなければなりません。スピードが大切なのです。 ファイザーでもモデルナでもいいので打つと決めたら早く打ちましょう。2021.6.15