ブレイクスルー

ブレイクスルー

ワクチン2回接種後に感染を起こしてしまう状態をブレイクスルーといいます。

「ワクチン2回打ったのにかかるなんて!ワクチン効いていないんじゃないの」、って不安になりますよね。しかし、2回打った方はかかってもかなり軽く済むようです。理由はまだはっきりしていませんが、おそらく今回の変異型デルタ株は飛散するウイルス量が従来株より多いため(1000倍ともいわれている)、一気に吸い込んで感染すると、B細胞が反応して抗体を作る前に少し広がってしまうためかと思います。しかし、標的はすでにB細胞に記憶されているため、B細胞が抗体を必死に作り、T細胞も働くのでほどなくして収束するものと考えております。また、接種後抗体価が徐々に低下する可能性もあり(産生能も含め)、それが原因になる可能性ももちろんあります。 いずれにしても曝露当初は感染力があると思われるため、ワクチン2回打っていても周囲に移す可能性はあり注意が必要です。  今後、ウイルスが変異していった場合、抗体が合わなくなって来ればまた、それに合わせたワクチンを打たなくてはならなくなるでしょう。次の変異が始まる前に早く収束させたいですね。そのためには集団免疫をできるだけ早く獲得することが必要です。

日本も3回目のワクチンを接種する方向のようです。今後、毎年打つようになるのかまだわかりませんが、その可能性が高いと思います。

それにしても、現時点ではできるだけ早く若い世代に打っていく必要があります。        2021.8.23

 

※コロナ変異種の表記について

WHOは2021.5.31 コロナ変異種の表記について、ギリシャ文字を利用することを決定しました。

英国株はアルファ、南アフリカ株はベータ、ブラジル株はガンマ、インド株はデルタ(今はL452Rのこと) と呼ぶことに決まりました。そのほかの「注目すべき変異株」にも「イプシロン」から「カッパ」のアルファベットが割り振られました。