3回目のワクチンは?

3回目のワクチンは?

まだ1回も受けていない方もいるのにすでに3回目を打つ話題が出てきております。患者さんからも3回目の必要性を聞かれます。いったいどうなるのでしょう??

結論から言うと、まだ、データを収集している段階と思います。

ファイザー社が明らかにした研究データによれば、3回目のブースター接種を受けることで、「デルタ株」への中和抗体価が2回接種と比べ、18~55歳では5倍以上、65~85歳では11倍以上に高まることを示しています。2回接種から8ヵ月後には抗体レベルがピークアウトするため、2回目接種から6〜12ヵ月以内に3回目のブースター接種が必要になる可能性が高いとしています。モデルナ社も 「3回目の接種が今秋に必要になりそうだ」との見解を明らかにしました。発症を防ぐ効果は2回目の接種から6カ月経っても90%以上の高いレベルを維持したが、時間とともにデルタ株など変異株に対する抗体の力が衰えていくことなどを理由としています。

半面、反論として抗体価だけを測定しても意味がなく、問題はウイルスに曝露したときにB細胞が抗体を速やかに作れるかだ、という意見もあります。もし血液が抗体ばかりになったら血液がドロドロになって流れないはずだ、という免疫学者の意見もあります。一理ありますね。

なのでブースター(追加接種)が必要かどうかは今しばらく情報を待ちましょう。現時点では早い人でもまだ3か月程度しかたっていませんので十分抗体はあります。

今は1,2回目のワクチンをいかに早くを打つかです。1回目で33%、2回目で88%の効果が認められています。2回打つことで発症を抑えることができ、ひいては医療崩壊を防ぐことができます。

オリンピックも終わりました。今一度基本に戻って感染防止に努めましょう! 2021.8.9

医学情報

前の記事

認知症と降圧薬