ジェネリック医薬品

ジェネリック医薬品について

全く同じ成分・製造方法のジェネリックがあります。「オーソライズドジェネリック」といいます。これなら、医者も安心して処方できます。しかし、一方、そう見せかけている「なんちゃってオーソライズジェネリック」と呼ばれるものもあり油断できません。 厚労省の認可に問題があります。先発品との比較を生物学的同等性試験で担保するはずですが、±15%までは許容範囲を認める仕様になっております。加えて再試験では±20%!って逆じゃないのか、と思うくらいです。ジェネリックを扱う会社に甘いのでは…と思うのは私だけではないはずです。 有効成分は同じでも、それを固める基材や製造過程が違うのです。したがって、溶ける早さも異なり薬の効果が先発品と違うことがあります。(効きすぎたり、効かなかったり)実際に、ジェネリックを処方して悪化した患者さんもおります。すべてが悪いわけではありませんが確実に問題のある薬があります。 加えて、薬の適応病名が違うものがあり、医師の側は保険で切られてしまうことがあります。 ジェネリックにすると医師の薬の決定権はなくなり薬剤師に決定権が移ります。なのに、薬による問題が発生した場合、すべて責任は医師に来ます。医師からしたら不条理の世界です。 日本の医師がジェネリックの処方にためらうのはご理解いただけると思います。最近では小林化工、日医工が問題を起こしていますね。このような問題があるとジェネリックを処方したくなくなります。医療費を下げるという大義名分だけで「ジェネリック!」と叫ぶのはどうかと思います。そろそろ制度面を含め考え直すときではないでしょうか。 当院では以上のことをご理解の上で希望される方にはジェネリックを処方します。(ものによりますが)2021.3.14 以前は上記のように考えておりました。しかし、最近ではそもそも薬がない! 先発品、ジェネリックを選択する余地すらない薬が多くなってきております。先発品の場合、国の誘導で患者さんに負担を強いるようになってきました。「本来なら」という言葉すら使える余地のない状況です。いろいろと思うところはありますが現状には逆らえませんので、また、患者さんにご迷惑をおかけできないのでジェネリックの処方をしております。  2025.5.13